柿渋とは

柿渋とは?

柿渋とは、熟していない渋柿を粉砕し、それを絞った果汁を発酵・熟成させた液体のことを指します。
甘柿や渋柿といった、どのような柿にでも、未熟な果実には渋が多く含まれていますが、より多く渋が含まれている渋柿の未熟な果実を原料として使っています。
そもそも、甘柿は熟すことによって、渋が抜けて甘くなった柿のことを指すので、青い実のうちは渋があります。
この液体には、柿タンニンという成分が含まれ、防腐効果、防水効果、防虫効果があり、布や紙、建材などに塗料として、古くは平安時代から使われていたと言われています。
また塗料だけではなく、柿渋は漢方薬として、血圧降下剤や二日酔いの薬、やけどの時の塗り薬などとして、広く人々に使われてきたそうです。

このように古くから人々に利用されてきた柿渋が、ここ近年の科学の進歩により研究が進み、様々な分野から着目されるようになってきました。

柿渋特有の柿タンニンには、体の中で作られる活性酸素を除去する、酸化作用を持つことが解明されています。ここ最近では、この成分に着目した柿渋石鹸といった、加齢臭対策の石鹸やシャンプーなどが注目されています。

また、その他の効果として、古くからやけどの時に塗り薬として使われていたように、タンパク質を凝縮させる効果があります。そのため、マムシの毒がタンパク質であることから、解毒剤としても使われてきました。近年では、柿タンニンが肌組織の収縮を起こし、引き締めるという収斂作用を使って、基礎化粧品にも用いられるようになりました。



これらのように、現在では柿タンニンを主成分とする柿渋が、多く用いられるようになっています。

柿渋の効果

柿渋の効果としては、消臭はもちろんのこと、防腐や防水、耐久性を持たせる効果を持ち合わせています。さらに、消毒効果が注目されています。

これらの効果を持ち合わせる柿渋は、昔から様々な用途で用いられてきました。
柿渋から絞られた柿タンニンには、防腐作用があることから、その昔ミイラに塗布したり、水中で使う魚の網や釣り糸などの防腐のために使われていました。
また、その昔は外壁の建材にも混ぜて使われていたようです。
我々の身近なところでは、紙に塗布して乾かすことで防水性や耐久性に優れた機能を持つため、うちわや傘などに用いられていたそうです。

柿タンニンに含まれるタンニンは、タンパク質と結合して、沈殿させる作用を持っているため、清酒の清澄剤として用いられ、現在ではこの用途にタンニンが一番多く使われています。
その他、塗料としての用途は、現在ではかなり減ってきていますが、シックハウス症状を起こさない塗料として、見直されつつあります。

また消毒効果としては、ノロウィルスに効果があると、広島大学をはじめとするプロジェクトチームが研究結果を発表しました。
ノロウィルスに効果を発揮するものとして、人体に優雅な次亜塩素酸ナトリウムだけでしたが、研究の結果、柿渋に含まれるカキタンニンが30秒で99%のノロウィルスを消毒することができると発表しました。
ノロウィルスは人体に入って、その毒性を発揮するので、柿渋の石鹸で手洗いするだけで、予防できます。
柿に含まれるタンニンは、ノロウィルスだけではなく、多くのウィルスにも効果を発揮することも確認されていることから、インフルエンザの予防にも力を発揮してくれそうです。

柿渋の使用用途

柿渋が持つ様々な効果を活かす使い方として、以下の用途で用いられています。
① 防水:水を使用する場所や道具の塗装
② 防腐:抗菌性があり道具などの腐敗防止
③ 防虫:虫害を防ぐため和紙や木製品に塗装
④ 補強:和紙や布地の繊維を強化
⑤ 接着:糊に混ぜ和紙等の接着
⑥ 清澄:酒の醸造過程で白濁物の除去
これらの特性を活かして、昔から漁網,型紙,渋紙,衣料,うちわ,篭,和傘,製茶道具,酒造,漆器下地塗りなどに利用されてきました。

実際今でも、上記の目的で直接目に触れないところでも多く使われています。
補強の特性から、強くて伸縮しないので、着物の柄を染めるときに使われている「伊勢型紙」というものが存在しています。今ではその型紙の美しさを、型紙に留めておくのはもったいないということで、その特徴である透け感を活かし、ランプシェードなど照明器具に使われています。その他には伊勢型紙のデザイン性を活かした壁紙などの調度品、バッグなどにも使われています。
機械化が進んだ清酒造りにも、透き通ったお酒に仕上げるために、柿渋が使われているそうです。
また建材としては、シックハウスの問題から、天然素材が見直されていることから、柿渋のブームが起きているようです。

現在、私たちが良く目にするのは、「加齢臭対策」としての石鹸やシャンプー、柿渋で染めた紙や衣類、革製品などです。

色々な特性を持ち合わせた柿渋は、古くから庶民の間で使い続けられた名残が、いまでも残っています。

渋柿って何?

柿渋とは、未熟な渋柿の果実を粉砕し、圧搾して採取できた果汁を発酵・熟成させたものです。発酵の過程で液体は赤褐色に、臭いも独特なものに変化していきます。
この柿渋にはタンニンという成分が多く含まれることから、平安時代より様々な用途に用いられてきた、日本固有のものです。
ここ最近では、新しい製法で精製され、独特な臭いを完全に取り除かれた無臭柿渋が誕生しています。

柿渋の主成分は高分子のタンニンで、このタンニンが渋みを感じさせる成分です。
タンニンは、ポリフェノールの一種で、特に珍しい成分でもなく。多くの植物にも含まれています。ポリフェノール自体は、有名な成分なので聞き覚えのある人も多いのではないでしょうか。
ポリフェノールは、抗酸化成分として化粧品や健康食品などでお馴染みですが、柿渋にもたくさん含まれています。

渋みを感じる食品の多くにはタンニンが含まれており、身近なところではお茶類(緑茶や紅茶、烏龍茶など)やコーヒーやワイン、チョコレートやナッツ類などなど・・・

余談ですが、タンニンは鉄分吸収を阻害する働きがあるので、貧血改善薬などの鉄分を摂取する薬を服用するときは、タンニンを含む食品を摂取後30分間は服用をしない方がいいとされています。

古くから人々の生活に活用されてきた柿渋ですが、今に至っても様々なところで使われているとても優れた効果を発揮しているものなのです。

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