頭皮が匂う原因
①大量の汗
頭皮には、汗腺がとても多く分布しており、手のひらや足の裏に次いで多くなっております。つまり、手汗や足汗と同じように、頭皮にも知らず知らずのうちに大量の汗をかいているということです。この大量の汗を放置してしまうことで、雑菌が繁殖しやすい環境になり頭皮臭が発生します。
②大量の皮脂
頭皮臭の主な原因は、大量の皮脂と汗が混じりあい雑菌が繁殖することによるものです。
頭皮は、体のなかで最も皮脂の分泌量が多い部位です。どれくらい多いかと言いますと、頭皮には額や頬の約3倍、背中の約5倍もの皮脂腺が存在していると言われています。その上、額や頬とは違い、頭皮は髪の毛に覆われているため高温多湿になりやすく雑菌が繁殖するには絶好の場所となっています。
③汗と皮脂から発生する加齢臭
前述したように、頭皮はニオイが発生しやすい条件がそろっているため、もちろん加齢臭も発生しやすい部位になります。
加齢に伴い体臭が油臭くなることを加齢臭と言いますが、この加齢臭にはノネナールという物質が関わっています。
40代以降になると皮脂の中にパルミトオレイン酸という脂肪酸の一種が含まれるようになり、このパルミトオレイン酸が酸化することでノネナールが生成され加齢臭を発生させています。つまり、皮脂の分泌量が最も多い頭皮には、それだけ多くのパルミトオレイン酸も存在しており、大量のノネナールを生成し加齢臭を発生させているということです。
ニオイが出やすい人
①洗えていない
頭皮を洗えていない人によくありがちなのが、髪ばかり洗って頭皮を全く洗えていないことです。
頭皮は皮脂が最も多く出る場所とお伝えしましたが、頭皮を洗えていないということは、大量の皮脂が毛穴に詰まったままという恐ろしい状況であるということになります。毛穴に詰まった皮脂は、時間が経つと地肌のかゆみやニオイを発生させます。
「髪ばかり洗っている」に心当たりがある方は、指の腹で頭皮をマッサージするようにして、毛穴に詰まった皮脂までしっかりと洗うようにしましょう。また、シャンプーやトリートメントのすすぎ残しもニオイの原因となります。
耳の後ろや頭頂部、もみあげなどは洗いづらく、すすぎも不十分になりやすい場所ですので、念入りにすすいでください。
トリートメントは流しすぎないほうが良いとあえてすすぎ残している方は要注意ですので、シャンプーもトリートメントもしっかり洗い流すようにしましょう。
②洗いすぎ
反対に、頭を洗いすぎる方も要注意です。
皮脂は肌を守るバリアとなる役割がありますので、洗い落としすぎると皮脂が過剰に分泌されてしまいかえって頭皮のニオイの原因となってしまいます。一回の入浴で2~3回シャンプーをする方、朝も夜もシャンプーをする方は、洗いすぎている可能性もありますので一度洗い方を見直してみましょう。
また、髪を洗った後にドライヤーをせず自然乾燥させている方も頭皮に良くありません。頭皮が湿った状態は雑菌がとても繁殖しやすくなっているため、頭皮のニオイの原因となってしまいます。入浴後に少しゆっくりしたいお気持ちも分かりますが、できる限り早くドライヤーを使い髪と頭皮を乾かしましょう。ドライヤーをするときも、髪だけではなく頭皮までしっかり乾かすことを意識しましょう。
③食生活
意外かもしれませんが、食生活も頭皮臭と大きく関係があるため、食生活が偏っている方も注意してください。
脂っこい食事やお菓子類など、脂質と糖質の多い食生活はニオイのもとになる皮脂の分泌が多くなってしまいます。
また、お肉や乳製品などの動物性たんぱく質を多く摂取し、野菜をほとんど取らないという食生活もニオイを発生させやすくするという風に言われております。偏った食事をせず、野菜もしっかり取りバランスの良い食生活を意識しましょう。
④ストレス
加齢臭は、ストレスにも大きく影響されます。
ストレスは、体の酸化を促進し、加齢臭を発生させる原因となる活性酸素を増加させる要因の一つになります。
そのため、適度な運動や趣味に使う時間を増やす等、ご自身なりのストレス発散方法を見つけ、ストレスをため込まないよう心がけましょう!
⑤朝シャン
朝、寝ぐせを直し、すっきりした状態で外出するためにシャンプーをしている方は多いのではないでしょうか?
実は朝シャンも加齢臭がニオイやすくなる原因となってしまいます。
これは、朝シャン自体が悪いのではなく、朝あまり時間がなく生乾きのまま外出してしまうことがニオイの原因となります。
髪の毛には、ニオイを吸着しやすいという性質があり、そこに生乾きの状態が加わることで、さらにニオイの吸着力を増幅させてしまいます。
その上、湿った状態の頭皮は雑菌が繁殖しやすい環境だということもお伝えしたと思います。
良かれと思ってしている朝シャンが逆効果にならないよう、時間に余裕を持ちしっかり乾かす時間を取るようにしましょう。
チェック方法
①指で頭皮をこする
直接頭皮のニオイをチェックする方法です。チェックする時は他のニオイと混ざりニオイが分かりづらくならないよう
手を入念に洗いましょう。
このとき、石鹸やハンドソープで洗ってしまい香料が付着すると、ニオイが感じづらくなるので流水のみで洗い流しましょう。
その後、頭皮を何度かマッサージするようにこすった後指のニオイを嗅いで確認しましょう。
②枕や帽子のニオイを確認する
頭は人間の体の中で最も皮脂腺が多く汗腺も手足につぎ多い場所になるので、頭に身に着けるもののニオイを嗅ぐのは
とても分かりやすいです。
まず、洗い立ての枕カバーに変えて就寝してください。
寝ているときにはたくさんの汗をかきますので、翌朝枕のニオイを嗅いで確認しましょう。
②ドライヤーを後ろからあてる
この方法は女性向けになりますが、ふと振り返ったときに頭皮のニオイに気づいたという経験をしたことがあるとおもいます。
この原理を利用し、ドライヤーを後ろからあてることで頭皮のニオイを確認することができます。
風に乗って嫌な臭いがする場合は頭皮が臭うということです。
男性は難しいかと思いますが、女性は是非試してみてください。
対策方法
①シャンプーを変える
加齢臭対策用のシャンプーが販売されており、特に柿タンニンは加齢臭の原因となるノネナールの消臭に特化しているので、
柿タンニンが配合されているシャンプーに変えてみると良いでしょう。洗浄力が強すぎたり、保湿成分が少ないシャンプーの場合は、
皮脂を余分に落とし 頭皮が乾燥してしまうことで、かえって皮脂が分泌されニオイの原因となりますので、洗浄力が強すぎず、
保湿効果にも優れているアミノ酸系シャンプーがオススメです。
シャンプーはよく泡立ててから頭皮に付けるようにし、指の腹を使って髪の毛だけでなく頭皮もよく洗うように意識しましょう。
特に耳の後ろや頭頂部、もみあげは洗いづらい部分になりますので、洗い残しがないようまんべんなく洗ってください。
シャンプーを洗い流す際も、シャンプーが頭皮に残らないよう十分にすすいで下さい。目安として、洗っていた時間の
2倍の時間をかけてすすぐとバッチリです。
②食事を変える
食事を変えることで、体の内側から加齢臭対策をすることができます。特に意識して頂きたいのが「脂質をとりすぎない」ことです。
前述しましたが、脂質は加齢臭の根本の原因となります。脂っこい食事をとり、過剰な脂質が体内に入ることにより、皮脂の量が増えること
により、ノネナールが多く生成されてしまいます。
そのため、脂身の多いお肉・揚げ物など脂質を多く含む食べ物はなるべく避けるようにしましょう。
次に、意識して頂きたいのが「抗酸化物質を含む食べ物を摂取する」ということです。ノネナールは皮脂に含まれる脂肪酸が酸化すること
により生じるので、抗酸化物質を摂取することで酸化を防止し、ノネナールの生成を抑えることができます。緑黄色野菜は抗酸化物質を多く
含むため、日々の食事のなかに積極的に取り入れるように心がけましょう。
③運動やお風呂など汗をかく習慣をつける
快適な生活により普段汗をかかないことで毛穴の中に皮脂が詰まり、古くなった皮脂が酸化し加齢臭を発生させると言われています。
また、普段汗をかかないことで汗腺の機能が衰え、少しの発汗でベタベタした汗をかくようになります。
汗自体に本来ニオイはありませんが、ベタベタした汗にはミネラルが含まれているため、それを餌とする雑菌が繁殖し
汗のニオイもきつくなってしまうのです。
日頃から汗をかく習慣をつけることで、毛穴に詰まった皮脂を汗と一緒に洗い流し加齢臭を抑えることができます。
さらに、衰えた汗腺の機能を回復させ、サラサラした汗をかけるようになるため汗のニオイも抑えることができます。
ウォーキングなど軽めの有酸素運動で十分効果がありますので、日々の生活に取り入れ汗をかく習慣を身に着けましょう!
まとめ
今回は頭から臭う加齢臭の原因と対策についてご紹介しました。
かなり網羅的に説明しましたが、この記事でお伝えしたいことを簡単にまとめると
1) 頭皮は体の中で最も皮脂が多く加齢臭が発生しやすい場所である
2) 洗えていないのはもちろん、洗いすぎも頭皮のニオイの原因になるので、正しい洗 い方で頭を洗う必要がある
3) 食事・運動・ストレス等も加齢臭の発生に大きくかかわっているため、日々の生活習慣を見なおし、体の内側からの対策も重要である
以上です。
加齢臭が発生する原因はたくさんあり、「これだけしておけばいい」というものではありません。加齢臭対策には根気が必要ですが、
一つずつ原因を解消していけば必ずニオイは改善されます。
今回紹介したことを明日から全て実践するのはとても大変ですし、続かなければ意味がありません。まずは、効果を実感しやすいところから
少しずつ取り組んでいくのがモチベーションにもなり続けやすいです。
一番簡単で効果を実感しやすい「シャンプーを変える」から取り組むのがオススメです♪